AIのサブスクには利用枠があります。ClaudeにもChatGPTにも、一定時間・一定量を使うと「しばらくお待ちください」になる上限がある。作業が乗ってきたところで枠が切れて、仕事が止まる。この悩み、2つのAIを契約している人なら「引き継ぎ書」で解決できます。
私は実際にClaudeとChatGPTの2台体制にして、片方の枠が切れたらもう片方に同じルールで働いてもらう運用を始めました。この記事では、そのための「AI引き継ぎ書」の穴埋めテンプレートと、ChatGPT側への登録手順を配布します。
この記事でできるようになること
| できること | 使うもの |
|---|---|
| 2つのAIに同じルールで働いてもらう | AI引き継ぎ書(穴埋めテンプレ) |
| ChatGPTにルールを覚えさせる | プロジェクト機能+カスタム指示 |
| ちゃんと伝わったか確かめる | 検収プロンプト |
| 自分のデータを学習に使わせない | データコントロール設定 |
なぜ「引き継ぎ書」なのか
2台目のAIは、例えるなら会社のルールを何も知らない新入社員です。優秀だけど、うちのやり方を知らない。毎回口頭で「うちはこういう書き方で」「これはやらないで」と説明するのは大変だし、伝え漏れが事故になります。
だから人間の職場と同じで、就業規則を1枚渡すのが一番確実です。それがAI引き継ぎ書です。
AI引き継ぎ書の穴埋めテンプレート
内容は仕事によって違いますが、書くべき項目は決まっています。以下をコピーして、()を自分の内容に置き換えてください。
コツは2つ。「やってほしいこと」より「やってはいけないこと」を厚く書くこと(AIの事故は大体ここで起きます)。そして例文を1つずつ添えること(「丁寧に書いて」より「ですます調で書いて」の方が確実に伝わります)。
ChatGPT側への登録手順(※2026年7月時点の画面)
引き継ぎ書ができたら、ChatGPTに「常に読む場所」へ置きます。毎回チャットに貼ってもいいのですが、プロジェクト機能を使うと1回で済みます。
1. ChatGPTのサイドバーから「プロジェクト」を新規作成(名前は「ブログ」「資料作成」など仕事の名前に)
2. 作ったプロジェクトに引き継ぎ書を登録する(ファイルのアップロード、または指示欄に貼り付け)
3. プロジェクトの指示欄に一言:「登録された引き継ぎ書のルールを最優先で守ってください」
以後、そのプロジェクトの中で始めた会話は、毎回ルールを覚えた状態でスタートします。
注意:ルールが効くのは「プロジェクトの中」だけです。プロジェクトを選ばずに開いた普通のチャットやスマホアプリで「引き継ぎ書を知ってる?」と聞くと「何も知りません」と返ってきて焦りますが、故障ではありません。部屋の外で聞いただけです(私も一度やりました)。仕事の会話は、必ずプロジェクトを選んだ状態で始めてください。
検収:ちゃんと伝わったか確かめる
登録したら、最初にこれを送ってください。
返ってきた要約が引き継ぎ書と合っていれば合格。ズレていたら、その項目の書き方が曖昧だった証拠なので、例文を足して直します。この検収を飛ばすと、あとで「伝わっていなかった」事故が起きます。
大事な設定:学習に使わせない
引き継ぎ書には自分の仕事のやり方が詰まっています。AIの学習に使われたくない場合は、設定を確認しておきましょう。
- ✓ChatGPTの場合:設定 →「データ コントロール」→「すべての人のためにモデルを改善する」をオフ
私はここがオフになっていることを確認してから運用を始めました。※設定の名称や場所は変わることがあるので、公式ヘルプも確認してください。
実録:この引き継ぎ、AIに丸投げできました
正直に書くと、私はこの一連の作業をほとんど自分でやっていません。普段使っているClaudeに「ChatGPTへの引き継ぎ書を作って、設定まで登録して」と頼んだら、引き継ぎ書の作成からChatGPTのプロジェクト登録、検収まで全部やってくれました。私がやったのは、途中で出てくる許可の画面を承認しただけです。
引き継ぎ書は「AIに書かせて、人間が検品する」が一番早い。自分のルールはいつも使っているAIが一番よく知っているからです。
引き継ぎでやってはいけないこと
- ✓パスワード・APIキー・個人情報を引き継ぎ書に書かない。引き継ぎ書はルールを渡すもので、秘密を渡すものではありません
- ✓記憶までは引き継げないことを忘れない。過去のやり取りや実体験は元のAIにしかありません。2台目のAIは「ルールは知っているが過去は知らない新人」です
- ✓検品を人間が放棄しない。どちらのAIが作った物でも、最後に確認するのは自分です
まとめ
- ✓AIの利用枠が切れても、引き継ぎ書があれば2台目のAIで仕事を続けられる
- ✓引き継ぎ書は「役割・進め方・文章ルール・禁止事項・納品形式」の穴埋めテンプレで作る
- ✓登録はプロジェクト機能へ。最後に必ず検収プロンプトで確認
- ✓学習に使わせない設定と、秘密を書かないルールでセキュリティを守る
AIが2台になると、枠切れの不安がなくなるだけでなく、「どっちが得意か」も見えてきます。まずは引き継ぎ書1枚から、2台体制を試してみてください。